展示概要

展覧会名 ヤマザキマリの世界
会期/会場

ご来場の際は美術館HPをご確認ください。

〒444-1325 愛知県高浜市青木町九丁目6番地18
高浜市やきものの里かわら美術館・図書館(本館)
 
交通アクセス:名鉄三河線「高浜港」駅下車徒歩約10分
市内循環バス「いきいき号」港コース「かわら美術館・図書館前」下車すぐ
国道419号「衣浦大橋東」交差点北東角

美術館HP

アクセス

開館時間

10:00〜17:00(観覧券の販売は16:30まで)

休館:月曜日、火曜日、5月8日(水)

※ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館

入館料金

高校生以上900円(720円)、中学生以下無料

  • ( )内は、前売り、高浜市内居住者、20名以上の団体料金
  • 75歳以上の方、各種障がい者手帳をお持ちの方ほか、割引あり
  • 前売りは、当館にて販売<期間:3月13日(水)~4月12日(金)>
主催

高浜市やきものの里かわら美術館・図書館

後援
  • 愛知県教育委員会
  • 高浜市
  • 高浜市教育委員会
  • 高浜市観光協会
協力
  • 学術協力:東京造形大学
  • 協力:株式会社スマイルカンパニー
  • 企画:株式会社広済堂ネクスト

開催概要は状況により変更となる場合がございます。ご了承ください。

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もうひとつの入浴文化―アラビア風浴場

【▲図1】

 『テルマエ・ロマエ』は古代ローマと近代日本という、世界に冠たる二大入浴文化の間を主人公が往来する物語でしたが、世界の歴史では、隆盛を極めた主要な入浴文化圏がもうひとつありました。それがアラビア世界です。

 7世紀に誕生したイスラム教は、またたく間に中東地域から北アフリカ沿岸一帯までを支配下に置き、勢力の一部はイベリア半島にまで及びました。そこではキリスト教文化とイスラム教文化が混ざりあった独自の文化が形成され、周辺地域の国家が何度か交代する間も安定した統治体制がながく続きました。

【▲図2】

 現在のスペイン南部にあるコルドバには、8世紀からイスラム教国の後ウマイヤ朝の都が置かれていました。歴代のカリフらが住まいとした「アルカサル(宮殿)」(図2)が今でも残っていますが、もともとはもっと大きく、広大な敷地のなかには大掛かりな浴場までありました。

 「Baños del Alcázar Califal(カリフのアルカサルの浴場)」は千年以上前から使われていましたが、「レコンキスタ(キリスト教勢力によるイベリア半島再征服運動)」の完成後に放置され、いつしか廃墟となっていました。1903年に遺跡が発見され、長年の修復整備を終えて2002年から一般公開が始まりました。

 内部は冷浴・ぬるま湯浴・温浴・サウナと分かれていて、明らかに古代ローマ浴場の伝統を受け継いでいます。中心的なのはぬるま湯浴のゾーンで、広い室内には天井を支える柱が林立しています(図1)。柱頭の上にある馬蹄形アーチはいかにもなアラビア様式で、ふたつの文化圏の交差点に位置していたことをよく示しています。

【▲図3】

【▲図4】

 サウナルームの形状もローマ風ですが、星型をした採光窓からは、アンダルシア地方特有の強い陽射しが差し込んできます(図3)。すぐ近くを流れる川で汲み上げた水を、浴場まで届けるための水路が当時は引かれていました。温浴室の近くの床下にはボイラー室があり、そこで熱せられた熱風が、床下の空間を通って各部屋まで送られていました。現代的なセントラル・ヒーティングのはしりとも呼べるこの高度な構造を、今も見ることができます(図4)。

(撮影・文:池上英洋)

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問題!

Q.プリニウスが森羅万象を記した、全37巻にもわたる著書の名前は?

©︎ヤマザキマリ とり・みき/新潮社

正解

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不正解

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©︎ヤマザキマリ とり・みき/新潮社